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【小説】東須磨は夕方六時(7)

 富田です。恥を振り撒くのも今日まで…にしたい!
 今日の前口上はこれだけ。

 …それではどうぞ。

 青年から大人へと脱皮する年齢となった。僕はそれなりの大学で学業やアルバイトに忙しい毎日を送っている。僕は学業とアルバイトと両立といった馬車馬のような忙しさの中で、入学を機に始めたことがある。それは、音楽活動。僕の担当楽器はキーボード。活動を始めた頃は都会のの駅前でストリートライブに興じていたのだけれど、今では小さなライブハウスに呼ばれるくらいにはなった。でも、音楽で食べていくつもりはあまりない。でも、それって音楽で食べていきたいという人からすれば失礼極まりないな話だと思う。でも、僕は純粋に『音楽を楽しむため』に音楽に興じている。だから大学を出たら普通に就職して、趣味として音楽を続けていくつもりだ。就職ともなれば僕はよっぽどのことが無い限りは、女の子の格好をやめないといけないだろうけど。

 ある程度想像がついているかもしれないけど、実は僕、圭吾との約束を果たして圭吾に追いつくことが出来た。そして、僕らは練馬のマンションで同棲をし、相も変わらず圭吾と愛を育んでいる。実は音楽活動も圭吾とのペア。僕はさっきも云ったとおりキーボード。圭吾はギターボーカル。僕は高校時代とほとんど変わらない女の子みたいな姿で。そして圭吾はすっかり垢抜けてオシャレになった。圭吾が懸念していた友達もたくさん出来ているみたいだ。ここまで愛し合っている僕らだけど、体のつくり的にも結婚は無理。同性婚も認められていないし。だから結婚はどう足掻いても無理。家庭を持つとなればいつかは別れなくちゃいけない。でも、できるだけ永く愛しあっていくつもり。今は別れ話なんてありえないけど、たとえ別れても親友として続いていくことは間違いないと思う。

「奈津希、今日も同じ電車だな」
「そうだねー。あと七限だけって地味にだるい。七時過ぎからとかもうさぁ・・・」
「俺もだるい、すごく。奈津希が一緒ってのが救いだよ」
「僕も。圭吾がいるのがすっごく救い」

 そんな他愛もない会話をしながら、大学へ行く電車の最寄り駅は一緒だから、環七沿いを手をつないで歩く。そしていつもの黄色い電車で大学へ向かう。さながら電車は『幸せの黄色い電車』といったところかな。僕らが愛を育むにはピッタリだ。黄色い電車の終着駅に着いたら圭吾とはしばしのお別れ。帰りも時間をあわせて一緒に帰る。周囲からはセクシャル・マイノリティだからと妙な噂を立てられるもある。また、バカップルと冷やかされることだってある。でも、僕らはそんな言葉や世間の常識とやらを薙ぎ倒しながら、永久に愛を育んでいく。

 <完>

テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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